槇原敬之「林檎の花」産後うつの私を救ってくれた一曲

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思い出の1曲とプロフィール

1980年生まれ フランス在住 女性 主婦
槇原敬之「林檎の花」

曲にまつわる思い出

私は小学生の頃から、かれこれ20年以上にわたって槇原敬之さんのファンです。いわば、彼の音楽と共に成長してきたようなものです。

毎年の新譜の中に、その時々の自分にむけてダイレクトに発信されたメッセージのようなものを読み取り、人生のアドバイスや応援歌のように、大切に心に抱きながら生きてきました。

私は国際結婚して長い間、フランスに住んでいます。数年前に妊娠・出産を経験したのですが、出産後のいわゆる「産後の肥立ち」が非常に悪く、また実家の援助も一切ない孤独な状況で育児に立ち向かったため、深刻な産後うつに陥ってしまったのです。

心身ともに衰えて、子どもや夫と一緒にいるのが苦痛でたまらない状況でした。その中で唯一、慰めとなったのが、やはり槇原さんの楽曲でした。

「林檎の花」は、2011年のアルバム「Heart to Heart」に収録されています。世界に伝わった震災の混乱がようやく落ち着いて来た頃に、日本から通販で取り寄せました。

子どもの世話で全くゆっくりできる暇がなく、じっくり聴くことができたのはアルバムが届いてから何週間も経ってからです。ある日の深夜、ヘッドフォンで聴いて、そして涙が止まらなくなりました。

君はあのこのことが本当は好きなんだろう
自分の事よりもずっと大事に思えるほど

恋と愛はまるで違う 林檎とその花みたいに
相手を想う気持ちだけが恋を愛に育てる

歌自体は、恋愛に関して歌っているのですが、これを聴いた時に私は、自分の子どもに対する不安と気持ちをズバリと言い当てられたようにしか思えませんでした。

誰も真剣に私のことを心配してくれる人はおらず、周囲が考えるように、やっかいな病人としてしか自分を鑑みることができなくなっていたのです。

ですが、この曲を聴いた途端に、「ああそうか、自分はちゃんと子供を大切に思っているんだ、真剣に愛しすぎて自分のことを置き去りにしてしまって、だから今こんな風にズタボロになってしまっているんだ…」という事が、ようやくわかりかけてきたのです。

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どこまでも優しく、また静かなこの曲を繰り返し聞いて大量の涙を流し切り、そして私はゆっくりと回復していきました。

実った小さな果実は子どもで、じっくり時間をかけて大きな林檎になるよう見守ろう、その中で母親としての私も、私たち母子の間の愛も育ってゆくんだ。今は発展過程で、それでもいいからとにかく元気になろう…。

数年たった今、私は見違えるように元気に生きています。もちろん辛いこともたくさんありますが、そういう時は槇原さんの曲に助けられて、乗り越えています。

私が元気でいられるのは、彼の音楽に救われたからに他なりません。同時代を生きられて本当によかった、心からそう思われる、真のアーティストです。

 

Heart to Heart

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