中島みゆき「あ・り・が・と・う」失恋を知って初めて良さがわかった名盤

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思い出のアルバムとプロフィール

1959年生まれ 宮城県在住 男性 会社員
中島みゆき「あ・り・が・と・う」

アルバムにまつわる思い出

「あ・り・が・と・う」は、中島みゆきの3枚目のアルバムです。「時代」という曲で、いきなり世界歌謡際グランプリで優勝という輝かしいデビューを果たした中島みゆきに、当時高校生の私は、稲妻に打たれたような衝撃を受けました。

生まれて初めて買ったアルバムが、デビューアルバムの「私の声が聞こえますか」です。ところが、聞いてみると、当時高校生で恋愛経験がなかった私には、どうにも歌詞の内容が理解できず、ほとんど聞かずじまいでした。

そして、「あ・り・が・と・う」も同じでした。ほとんど聴かずじまいの中、辛く長い受験勉強を突破することができました。

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第1志望の大学に入学し、未来がばら色に輝いて見えました。ところが、大学へ入学してみると、何もかもが自由でした。授業に出るのも自由、サボるのも自由。

田舎の町から突然、大都会にひとり放り出され、何もすがるものも頼るものもない私には、自由イコール孤独でした。誰も私のことを気にしていない。このまま世の中から消えても誰も気づいてはくれないだろうと、毎日暗いことばかり考えていました。

そんなとき、キャンパスでサークルに勧誘されました。勇気を出してそのサークルに加入しました。これが私のエポックメイキングとなりました。一挙に先輩や同級生と知り合え、他の大学の同好の士とも知り合え、遅ればせながら大学生活をエンジョイすることができました。

そんな中、同級生の女子を好きになりました。一方的な片思いでしたが、その情熱は高まるばかりで告白することを決意しました。そんなとき、街のアーケード街でその女子と敬愛する先輩が、腕を組みながら楽しく歩いている姿を見かけてしまいました。

私は何も知らなかったのです。話しかけることなどできず、柱の影で2人の姿を見続けるしかありませんでした。あのときの彼女の幸せそうな横顔を忘れることはありません。

ショックでした。何もかも嫌になり、アパートに帰り、転がっていました。そのときにふと、「あ・り・が・と・う」のアルバムが、目に入り、久々に聞いてみました。

鳥肌が立ちました。特に最後に収録された「時は流れて」は、まさに今、自分自身の置かれた立場そのものでした。

あんたには もう 逢えないと思ったから
あたしはすっかり やけを起こして

とは、自分自身だと思いました。失恋して初めて、中島みゆきという不世出のアーティストを知りました。このアルバムには他にも珠玉の名曲である「遍路」「店の名はライフ」「ホームにて」などが収められています。

特に「ホームにて」は、まるで宮沢賢治の銀河鉄道の夜に被る感覚にとらわれ、苦しいときに心がとても洗われる作品です。

失恋という喪失体験をして、初めて中島みゆきの偉大さがわかりました。発表から40年近く経っても、色あせることがない作品はそう多くはありません。

青春時代を中島みゆきとともに過ごすことができ、私は幸運です。

 

あ・り・が・と・う

2,000円
(2015.07.15時点)
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