19「卒業の歌、友達の歌。」路上ライブで泣き続けた一曲

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思い出の1曲とプロフィール

1984年生まれ 神奈川県在住 男性 会社員
19「卒業の歌、友達の歌。」

曲にまつわる思い出

男子高校の生徒だった僕は当時、完全な部活バカだった。学校に行くのは部活の為で、部活を休みたくないが為に高校は皆勤賞を取れたほどだった。

三年生の時には主将を務めた。僕にとっては部活は、当時の全てだったと思う。ところが激しい練習のせいか、主将になってすぐに、肘をひどく痛めてしまった。

医者には1か月ほど安静にするように言われ、先生や部活仲間からはいい機会だから部活から離れるように、と追い出され、僕にとっての生きがいは、一時的にだが完全に取り上げられてしまった。

それまで部活が全てで、下校時に遊びに行くようなこともほとんどなかったので、学校は本当に退屈で、かなり鬱々としていたように思う。

そんな僕を見かねて遊びに誘いだしてくれたのが、放課後に仲間と二人で路上で歌っていた友人だった。誘われるままに学校帰り、路上で友人が歌う姿を見にいった。

正直、人は良いもののパっとしない地味な友人だと思っていたので、路上ライブをしている姿にはかなり驚いた。歌もギターも上手で、友人が歌っている姿は、羨ましいくらいにカッコ良かった。

そうして、思いのほか友人の誘いで楽しんだ僕はその日以降、練習の時も路上で歌う時も、友人やライブ仲間と一緒にいるようになった。

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友人が路上でよく歌っていたのは当時、路上ライブでは鉄板だった「ゆず」や、「コブクロ」、そして「19」だった。この三つなら何をリクエストしても大体演奏してくれたし、友人にリクエストしたはずが逆に、僕が歌わされたりした。

そんな友人が卒業までに一緒に路上で歌えるようになろう、と提案してくれたのが、路上では一度も歌った事のない「19」の「卒業の歌、友達の歌。」だった。

難しい曲でこそないが、いかにも春の別れの季節を歌ったものなので、路上では歌いにくいものだったらしい。部活する時間が丸々余ってしまっていた僕にはこの誘いは本当に嬉しく、時間さえあればこの曲を聞いて練習したものだった。

その後、部活に復帰はしたものの、部活終わりに友人の歌っている所に顔を出したりして、練習を続けた。僕は高校卒業後、田舎から都心の大学に出る事が決まっていたので、約束の路上ライブは2月の雪の日だったのを覚えている。

雪が降る中、何度も何度も聞いた「卒業の歌、友達の歌。」を歌おうとした僕は結局、嗚咽を漏らしながら泣き続けるだけだった。そして友人も、同じように出だしだけ演奏して、あとは泣き崩れていた。

この寒い雪の日に、泣いている二人の男子高校生はしばらくその界隈で笑い話のネタにされていたらしい。

 

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