失恋のショックとファーストキスが同時というホロ苦ストーリーで浮かぶ曲 中島みゆき「時は流れて」

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思い出の1曲とプロフィール

1959年生まれ 宮城県在住 男性 会社員
中島みゆき「時は流れて」

曲にまつわる思い出

私は、学生時代から日本の誇る歌姫である中島みゆきさんのファンです。彼女の歌は、魂を揺さぶり、実体験のような気さえしてきます。

デビューから40年近く経ちましたが、彼女の歌は色褪せることはありません。そんな数多くの名曲の中でも、時は流れては、私の心のベスト曲です。

それは私が大学生となり、期待にあふれる学生時代の一歩を踏み出したときのことでした。私は地方の高校から、東京の大学に入学したこともあり、何もかもよくわからず、また、大学が自由過ぎて、路頭に迷っていました。

このままではいけないと勧誘していた同人誌サークルに入ることにしました。私は詩を作るのが好きだったからです。そのサークルは、女性の比率が高く、男子校だった私にとって、同じ世代の女の子と話ができて、とても楽しく時を過ごせました。

その中でも、特に好意を抱く女の子がいました。彼女も私には特別の笑顔を見せるように思い、一方的に片思いに落ちてしまいました。彼女を見かけるだけで、赤面しドキドキしてしまうほど、私は恋も知らぬ世間知らずの田舎の優等生でした。

それから数ヶ月が経ちましたが、私の一方的な片思いは成就することなく、大学生活にも慣れ始めました。さまざまな合コンにも顔を出し、私に言い寄る女の子までいました。その子は、どうしてもデートして欲しいと私に迫ってきて、やむなく一度だけデートすることにしました。その日は、近くの神社で宵祭りの日でした。彼女は浴衣を着て来て、その成熟した体つきにびっくりしてドキドキしました。

そして、二人で縁日の金魚すくいや射的などに興じました。そして初デートを終え、なんとなく自宅まで送ることになりました。二人で歩く姿は、傍目から見ると仲の良いカップルに見えたと思います。

そんな中、アーケード街を歩くと、なんとサークルの片思いの彼女が、先輩と腕を組んで歩いている姿に出くわしました。彼女が先輩と付き合っていることなど私はまるで知りませんでした。すれ違ったときに見た彼女の幸せそうな横顔を私は忘れることはできません。

頭の中が真っ白になりました。どう歩いたのか、記憶もなく、いつの間にか、初デートの彼女の自宅前に到着していました。彼女は突然泣き出し、私の胸にすがりつきました。そして、目を真っ赤にして、彼女は私にキスをしました。何がなんだか私には理解できませんでした。

失恋のショックと、ファーストキスが同時で、何がなんだかわからず混乱しました。でもどうしても彼女を抱きしめることはできませんでした。しばらくすると彼女は私から離れ、楽しかったと一言残して、振り返ることなく自宅へ戻って行きました。

あんたにはもう会えないと思ったから 
私はすっかりやけを起こして
いくつもの恋を渡り歩いた
そのたびに心は惨めになったけれど

と、時は流れてのフレーズが頭の中をリフレインしていました。

片思いが失恋して、求愛を断って自分は一体何をしているのか、わけがわからなくなってしまっていました。

でも、彼女の口づけのぬくもりは、40年近く経った今でも鮮烈に覚えています。私は取り返しのつかない人生の選択をしてしまったのかと今でも疑問に思うことがあります。

時は流れて、彼女たちに会ったなら、私は一体何をどう伝えれば良いのか、今でもわかりません。

この歌を聴くたびに青春のほろ苦い時代を思い出します。時は流れては、中島みゆきさんの最高傑作のひとつだと思います。