アニメタル「アニメタル・マラソン」頑張る希望を与えてくれたアルバム

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レビューアルバムとプロフィール

1980年生まれ 東京都在住 女性 事務
アニメタル「アニメタル・マラソン」

アルバムレビュー

青春時代というものは、恋に身を焦がしたり、将来の夢や希望に燃えていたり、華やかな時代だという。

しかし、私にはそのような光の当たる場所など一切無縁であった。ただ、飯を食わせてもらっているだけの奴隷以下の実家から、生きて脱出することだけを考えていた高校時代。

唯一の娯楽は、ハードロックやメタル系の音楽を爆音で聞くことだけであった。現実逃避するついでに脳みそも多少破壊して、正気を保っていた。

そんな中、やはり崩壊家庭で育った友人から勧められたのが「アニメタル」というバンド。アニメ&メタル?意味が分からない。

とりあえず聞いてみようと思ったが、お金がないので図書館で借りてきた。そんなアルバムが開架AVコーナーに置いてあるファンキーな、隣町の図書館であった。

自宅に戻り、ロクに仕事もせずに早い時間から一人で晩酌しているオヤジと、何をするか全く行動が読めないプータローの兄貴が存在していない事を確認し、物置を改造した自称・私の部屋でこっそり聞いた。そして、感動した!

和製メタルには正直、あまり期待していなかった。洋楽の本気でブチ壊れた痛切な叫びが聞こえず、どこか「ニヒルな自分がかっこいい」と甘えているような雰囲気が鼻につくからだ。

ロックをやっているのに、「親から大切に育てられました?」という雰囲気が漂う日本語の歌詞に共感できなかった。

アニメタルの音楽は、そんな「カッコいい俺が好き」という緩さや甘さが一切なく、素直に全身全霊をかけて叫んでいるのだ。

歌詞の内容は、大体が敵と戦う系。昔のヒーローものの主題歌だから、地球の平和を脅かす敵と戦わずにはいられない。そして華々しく燃え尽きて終わるのだ。

悲壮感と真剣な生き様が、まさにメタルという表現形態で本領発揮。本来の激しさを余すところなく、かといってシャウトしすぎて何を言っているかわからないというカオスに陥ることもない。私の心と共鳴しているのがわかる。

ああ、何という、戦闘的な歌なんだ。

たとえ敵が強大で勝ち目がないと言えども、ヒーローは戦わずにはいられない。激しい意志と闘志が、私に希望を与えたのだ。

「ようし!絶対にどんな手を使ってでも、この家から出てやる。」

そして、それは実現された。

数年後、私は一度家庭を持ったが、離婚して一人になった。大病をした後、病み上がりで働かざるを得ない状況で、何よりも心の支えになったのは、やはりアニメタルであった。

アニメタルはその後も進化し続け、なんと「メタルマラソン」という、延々全力で勝負を挑み続ける超大作をリリースした!

1時間近く、闘志満々・やる気満々のテンションを保ち続けていると私は信じ切って、それこそ「収録した後に編集」などというものがあるかもしれないなどという、私にとって都合の悪い技術はなかったことにした。

「ああ、アニメタルが頑張れって言っている。アニメタルも戦っているのだ、1時間。」

諦めず人生を生きろよ。いろいろあるさ、長い人生。アニメの曲にもいろいろあるように。世界平和を守るにせよ、サッカーにせよ、プロレスにせよ、泥棒にせよ、恋愛にせよ、戦い抜くのだ。

そんなメッセージを勝手に自分のためにでっち上げ、アルバイト先で年下の上司にこき使われる日々をどうにか乗り切った。

そんな20代、やはり青春と恋愛の華は咲かなかったが、一人で生き抜く覚悟と根性がついた。

ありがとう、アニメタル。

戦いの中にもユーモアを忘れない。そしていつ聞いても演奏技術と歌唱力が素晴らしい。アニメタルよ、永遠なれ。

そして30代になると、いよいよこの手の曲は血圧が上がりそうで、控えるようになってきた。

今や戦わずしてどうにでもなる私。そんな境地に達したのも、あの辛い時代に根性出して戦う事の意義を教えてくれたアニメタルのおかげである。